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2016-04-07

THE OYATSU Vol.0|「モダンガストロノミーを一皿で」

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GUEST|橋本宏一(セララバアド)

11月30日(月)、渋谷のFabCafe にて2016年から開始するイベントのキックオフイベントとして「THE OYATSU Vol.0」を開催。

ゲストシェフは、代々木上原「セララバアド」の橋本宏一氏。世界No.1を何度も獲得したスペイン「エル・ブリ」や、デンマーク「Noma」といったガストロノミーの最高峰で修行を重ね、2015年には「セララバアド」を代々木上原にオープン。「モダンガストロノミーを気軽に」をコンセプトに、クリエイティブな手法で料理を提供し、注目を集めています。

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プロジェクトの背景

プレイベントである今回は、プロジェクトの背景から説明を始めました。

THE OYATSUの企画を担当した我々301は、さまざまなご縁もあり、過去2年間ほど食に関わる案件に企画やデザインといったクリエイティブ側の立場として関わってきました。

そんな私たちにとって、食に関わる方々はともに表現をつくるパートナーでした。

クリエイティブの立場から食を見てみると、食は表現として実に奥深くて面白い領域です。一方、食の立場では、インターネットが普及した時代的な背景もあり、料理の作り手はただ職人的につくるだけでなく、それをどう伝えるか、あるいはどう見せるかなどをこれまで以上に考えなければならない状況となっています。

こうした実感から、クリエイティブやらコミュニケーションに関わる人間と、食に関わる人がクロスオーバーする領域が増えるのではないか、と考えました。

海外の事例では、2010年代に入ってから顕著になったDIYカルチャーの世界的なブームにより、ものづくりをやっていた人やITベンチャーやっていた人が、食のスモールビジネスに転換するという話が増えてきています。大量生産大量消費へのカウンターとして、自分の目の届く範囲で、生活のクオリティに視点を置いた手作り的なビジネスをクリエイティブに見せるという流れが生まれています。

具体的には、「ブルーボトルコーヒー」、「マストブラザーズ」、「モダン・タイムス」などが挙げられます。
さらに、こうした動きから周囲の人やものを巻き込んだ「フードカルチャー」が成立しています。その盛況ぶりを表すかのようにフードカルチャーを紹介するフードマガジンが多く生まれており、NYの「MOMOFUKU」というレストランが発行している「LUCKY PEACH」、アンドリュー・ターロウの「DINER JOURNAL」、音楽とフードをテーマにしたベルギーの「MOOD」など、さまざまな形で食を紹介しています。NYブルックリンでは、フードマガジンの祭典「Food Book Fair」が開催されているほどです。

対して日本の食雑誌は、「東京カレンダー」のようなグルメ誌や、「料理通信」のような専門誌のジャンルのみとなっています。もちろんそうしたメディアの必要性はありますが、まずは食に関わることや「フードカルチャーを盛り上げよう」というムードや仲間を、実態のあるケースとしてつくっていきたいと思いました。

そんなとき、渋谷のものづくりカフェ「FabCafe」と、フードとクリエイティブを絡めた中長期的な試みをやりたいという方向が一致し、何か象徴的な展開ができないかと考え、生まれたのがこの「THE OYATSU」というプロジェクトでした。

 
THE OYATSUとは?

シェフたちのクリエイションを読み解くために、一皿のカジュアルな形態で彼らのコンセンプトを表現してもらう。そして、完成したオリジナルメニュー「OYATSU」を実際に味わいながら、その発想法や創作プロセスをシェアしていくことで、クリエイションの視点からフードを考える機会を作ります。

“おやつ”と言ってもスイーツという縛りではなく、ランチやディナーなどのメインではない間食として成立するメニューであればOK。また、FabCafeのコンセプトである「プロトタイプ性」を重視したメニューを求めます。

それでは、なぜ「THE OYATSU」なのか。以下の2点がポイントとなっています。

①カジュアルであること
普段触れる機会の少ない料理を、カジュアルな形態に落とし込むことで間口を広げたい。「カジュアルである」ことは誤解を招くこともありますが、研ぎ澄まされたコンセプトを、企画やデザインという技術を使って、専門的な知識を持たない人にも伝達したい。

②日本的であること
世界的な潮流を、日本における文化としてどう捉え、ドライブさせていくかということにきちんと向き合いたい。日本には季節に対してとても豊かな意識があり、移ろいの中に美を見出すという、合理性に美を求める欧米的な発想よりも豊かな感覚を大切にしたい。和的なものにしたいということではなく、日本的美意識やエッセンスをどれだけユニバーサルにしながらフードを通して考えていけるか、という実験でもある。

では、どんなシェフにどのような形で関わっていただくと、面白くなるか。これまで何度も一緒に食の企画をやってきた「 Salmon & Trout」の森枝幹シェフにお願いして、年間通してアドバイザー役として協力してもらうことにしました。

そして、プレイベントのゲストに選ばれたのが、「セララバアド」の橋本宏一シェフ。
リーズナブルな価格でガストロノミーを提供するという橋本シェフの姿勢は、どこかOYATSUのコンセプトと重なる部分があります。

トークイベントでは、そんな彼のクリエイションについて迫っていきました。
メニューを発想する際には、アマートフォンのアプリを活用するなど、意外な一面も。また、店名の由来にもなった宮沢賢治の小説から、レーザーカッターなどの新しい技術まで、料理以外にもアンテナを張っており、豊富な知識のバックグラウンドからメニュー作りを行っていることがわかりました。

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OYATSU|ブレッドプディング りんごで作った蝶と花
滑らかで口当たりの良い食感のブレッドプディングに、極薄にスライスされたりんごのシートの蝶と花を添えた一品。りんごのシートの切り抜きには、レーザーカッターを使用し、手作業では実現が難しい繊細な模様を生み出している。

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橋本宏一(セララバアド)
大阪出身。スペインではEl Bulli (エルブリ) Martin Berasategui などで修行。帰国後はsan pau tokyo 勤務。前職はマンダリンオリエンタル東京 タパス モラキュラーバー 料理長。オープン前は2014年レストラン世界ランキング1位のデンマークの nomaを経験する。新しいテクニックを使いモダンでクリエイティブな料理を得意とする。

セララバアド|www.celaravird.com